サンダーベイ産アメシスト

カナダ オンタリオ州 サンダーベイの位置

赤いアメシストで有名なカナダ オンタリオ州のサンダーベイ地方は、
北アメリカの5大湖の1つスペリオル湖の北部にある人口11万人のオンタリオ州西部最大の町です。
西にはアメリカとの国境がありトランスカナダハイウエイ(カナダ横断道路)や鉄道の拠点でもあります。


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カナダ サンダーベイ産 アメシスト

3種類のサンダーベイ産アメシスト

結晶表面が赤いアメシスト(写真左)、透明な紫に赤いポイントのある結晶(写真中央)、濃い赤に薄いポイントのある結晶(写真右)
サンダーベイ産アメシストは3種類がありバラエティーに富んでいます

サンダーベイ産アメシストの結晶

サンダーベイ地域の地質とアメシスト

サンダーベイ地域の地質
図はサンダーベイ地方の地質断面図です。 層序は下から上に
・花崗岩(ピンク色)              先カンブリア時代 始生代25億年〜34億年前
・火山岩(緑色)                 先カンブリア時代 始生代25億年〜34億年前
・堆積岩(Animikie Group)(薄いピンク色)先カンブリア時代 原生代前期16億年前〜25億年前
・赤い堆積岩(Sibley Group)(オレンジ色)   先カンブリア時代 原生代後期9億年前〜16億年前
・アルカリ貫入岩(黒色)            先カンブリア時代 原生代後期9億年前〜16億年前後期
・スペリオル湖寄りの地下から地上まで延びている黒い直線は断層です
サンダーベイのアメシスト生成に関わるのは粘度の弱いアルカリ貫入岩(黒色)と、鉄分を含み赤い色をしている堆積岩(Sibley Group)(オレンジ色)です。

Sibley Peninsula(Sibley 半島)の 鉄分を含む赤い堆積岩 Sibley Group

アメシストの地質Sibley粘板岩 アメシストの地質Sibley粘板岩 アメシストの地質Sibley粘板岩

マフィック貫入岩は地下で水平になったものがありますが、アメシストの生成に関わる貫入岩は地表や地表近くで赤い堆積岩Sibly Groupの中で水平に広がったものです。
この貫入岩は塩基性で粘度が小さく地下では水平に広がり、地表で広がったものはメサ(大規模な台地)、ビュート(小規模な台地)と呼ばれサンダーベイの町と周辺で写真のような山となっています。(下図)
赤く鉄分を含んだ堆積岩の中に粘性の低い貫入岩が広がり、溶けた石英と堆積岩の鉄分がヘマタイトとて表面の赤いアメシストを作ったものと考えられています。 地表に噴出した貫入岩はサンダーベイ地方のメサやビュートの山となり、町や郊外に見られますが、一見貫入岩のように見えるサンダーベイ南東部に見えるスリーピングジャイアントは赤い堆積岩 Sibley Group です。

サンダーベイ市街地のメサ(左)、メサの拡大写真(中央)、Sibley 半島の南端にあるスリーピングジャイアント(右)

ビュート

サンダーベイのアメシスト鉱山

サンダーベイのアメシストは1955年に発見され、その後サンダーベイの町の北部やSibley 半島の付け根の地域に多くのアメシスト鉱脈が見つかりました。
<アメシストマインパノラマ>
サンダーベイ産アメシストの鉱山は観光地となっているアメシストマインパノラマが有名です。

アメシストマインパノラマへ続く道 アメシストマインパノラマの入り口 アメシストマインパノラマの土産物店

アメシストマインパノラマはサンダーベイの町の北の小高い丘にあり、車で多くの観光客が訪れます。
現役時代に鉱山の掘削をしていたお爺さんがオープンピット(露天掘り)の鉱山を案内してくれます。 野外に展示してある大きな紫や赤のアメシストの説明をした後に、削岩機で掘ってる場所に見学者を連れて行き1時間ほどかけて説明します。

アメシストの巨大な結晶 アメシストの結晶の固まり アメシスト鉱山オープンピット

ピットの壁の大きなアメシストの結晶や、削岩機でどんな順序で掘り出していくのかを説明した後に、ガイドのおじいさんはポケットから何やら取り出して口の中に含み「これが宝石質のアメシストです!」と見せてくれました。
彼が口に入れたのは表面が濡れると透明感がでるためで、 宝石質で大きく綺麗な紫の透明なアメシストです。
10人ほどの観光客は「OH〜!」と歓声をあげました。

アメシスト鉱山見学 アメシスト鉱山見学 アメシスト鉱山見学,宝石質のアメシスト

見学が終わるとズリで採集ができます。
白いバケツに入れた重量で支払う金額が決まりますがあまり良い物は見つかりません。 アメシストの紫色が付いた原石がゴロゴロする中を探しますが、立って探すのはご法度! 時間がかかろうと太陽の照り返しが暑くて汗が出ようと、座った場所をここだと信じて目を凝らして探すのです。 カナダは空気が綺麗なので紫外線も強くて太陽の光をさえぎる物がないこの場所にいるのはジリジリと暑くてたまりません。「鉱物採集は粘りだ、遠い日本からここまで来たのだ。トロントからも一日行程だ、負けてなるか!・・・」
そう自分に言い聞かせ、皮膚がヒリヒリするのを我慢して数箇所を探していくと…

・・・「あった!大きな結晶!」
捨てられた場所でもこんなに良い結晶が取れるんです!
見つけられて追加金を払わなくて良いようにさっと撮影して、そっとポケットにしまいました。
(ご注意)
このアメシストは貴重なマイコレクションとして
大切に保管しています♪
取り扱いしているサンダーベイ産のアメシストは、
ブルーポインツマインやその他のアメシスト鉱山で採集したり交渉して仕入れております。

<ブルーポインツマイン>
サンダーベイの手前50kmほどの所から北へ入りしばらく行った場所にBlue Points Mine があります。
夏季だけアメリカのオーナーがやって来て、ダイナマイトや削岩機で鉱脈を探し出します。

HWY17から北に入った道、道が紫色です(写真左)、ブルーポインツマインの看板(写真中央)、鉱山内にいたウサギ(写真右)

写真のようにウサギや鹿を見かけますが、オーナーの話では熊が出るそうで、車で追い払わないと逃げないんだそうです。 また、ハチドリが来るので砂糖水を入れた容器を置いています。カナダではハチドリを良く見かけます。 ブルーポインツマインは観光地化された鉱山ではなく仕入や個人の鉱物コレクターがやってくるアメシスト鉱山です。 大きなハンマーやバールなどの大型の道具を使わないと硬い石英脈を割るのは大変です。 露頭にあるアメシストの結晶も割るとバラバラになりクラスターとして掘り出すのは結晶の側面から割っていく必要があります。 石英脈は粘土質の堆積岩を取り囲むように貫入し、赤い粘土質堆積岩は硬くなって鉄分を奪われたように白っぽく色あせています。 アメシストパノラママインも同じですがブルーポインツマインも、このようなアメシストの産状です。

南側ピット(写真左)、赤い堆積岩 SibleyGroup に貫入したり、SibleyGroup を取り込んだアメシスト脈(写真中央と右)

ブルーポインツマインは南北に細長く掘られていますが、晶洞(ガマ)は南側の深い位置に多く、
綺麗な赤いアメシストのクラスター(群晶)を見ることができます。(下の写真)

鉄分を含んだ赤い堆積岩はサンダーベイの南東側の Sibley Peninsula (Sibley 半島)に多い事から
SibleyGroupと名付けられています。

Sibley 半島の鉄分を含んだ赤い堆積岩(左)Blue Points Mine 内の赤い堆積岩(中央)アメシストと捕獲岩(右)

サンダーベイ産アメシスト

サンダーベイ地域の自然と町の風景

<Sibley 半島(写真は半島南部のスリーピングジャイアント)>

Sibley 半島はサンダーベイの東にある半島で大きなガソリンスタンドから左折します。 半島の南部には、昔たくさんの銀を産出した町 Silver Islet があります。 途中からスリーピングジャイアント州立公園のエリアになりますが、熊や鹿が多く夏季の運転には注意が必要です。 スリーピングジャイアントとはサンダーベイの町から見ると山の形が巨人が寝ているように見えた事から名前が付いています。
半島全体がスリーピングジャイアントのように思えますが、実は半島の南の一部です。

スリーピングジャイアント州立公園エリア内の ルピナス(左)、鹿(中央)、熊(右)

<テリーフォックスの像>
トロントからのHWY17沿いにテリーフォックスの像があります。
カナダの義足のランナー テリーフォックス (Terry Fox) は1980年4月12日にニューファウンドランドのセントジョンズを出発し、 バンクーバー島のポートレンフリューへ向かって走り始めました。 毎日フルマラソンと同じ距離42kmを走りましたがサンダーベイの東19.3kmのこの地で、 肺に転移した癌の痛みに襲われ、走る事ができなくなりました。 出発から143日目5373km、1980年9月1日の事でした。
翌年の6月28日、22歳の若さで彼はこの世を去りました。
ここを通る多くの人は、しばらくこの場所で彼の像を見て、次の目的地に車を走らせます。

ホワイト・スローティッド・スパローの美しい声です。
夕方のテリーフォックスの像の駐車場で聞くことができました。
O canada canada canadaー
この鳥の鳴き声はこのように形容されますが、まさにピッタリですね!

<テリーフォックスの像の土台に使われたアメシスト>
綺麗な結晶のアメシストが使われています

<サンダーベイの町の風景>
町の南部は港で港湾施設や倉庫があります。また鉄道もありHWY17にも近い位置です。

Thunder Bayの看板 人口11万人2009年(左)、HWY17をサンダーベイの町へ向かう時の風景(中央)、サンダーベイの港(右)

スペリオル湖方面は途中に州立公園や国立公園が多く自然豊かで風景も美しい場所ばかりです。
グーグルで調べるとトロントからHWY400、HWY69、HWY17を利用し車では17時間46分、距離は1379kmとなっています。ジョージアンベイからスペリオル湖の沿岸を走りましたが、長距離の運転は大変でした。
また、スペリオル湖沿岸の天気は温度の低い湖水の影響を受けやすく夏場は局地的な雷雨が発生します。
車で行かれる場合はガソリンスタンド、宿泊地、道路の距離と移動時間を十分に調べて旅行計画を立てられる事をお勧めします。それから・・・レストランの場所、食品販売店もガッチリとお調べを!

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